樹脂への練り込み型、性能安定性を持つ新メカニズムに基づく帯電防止剤


公的機関からの評価内容

申込企業名:株式会社ボロン研究所
開発製品名:練り込み型帯電防止剤「ビオミセルBNシリーズ」(Biomicelle BF-77、BNF)

1 新規性について

(1)「ビオミセルBNシリーズ」(Biomicelle BF-77およびBNF)は、各種絶縁性プラスチック樹脂に少量添加混入するだけで、樹脂表面の電気特性を半導電性化し、半永久的に接触・摩擦等による帯電を起こさなくする「ドナー・アクセプターハイブリッド系内部練り込み型帯電防止剤」である。「ビオミセルBNシリーズ」は、当社が開発した半極性有機ホウ素化合物」(B:Boron Compound)をドナーとし、アミン系窒素化合物(N:Nitrogen compound)をアクセプターとするB-・N+型の電荷移動型結合体であり、従来帯電防止剤分子を安定に存在させることが難しかったポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)のような無極性樹脂ともよく親和して均一複合物を形成し、安定かつ持続的な非帯電効果を発現して永久制電樹脂化するという今までにない技術要素があり、新規性が認められる。「ビオミセルBN-77」は電子産業用樹脂向け、「ビオミセルBNF」は食品容器や包装フィルム等食品包装用樹脂向けのブランド名で、構成成分はほとんど変わらない。

(2)「ビオミセルBN-77」は、家庭用から産業用まで広く使われている絶縁性の高いプラスチックの素原料に混入して複合化するだけで、懸案課題となっていたPEやPPのような無極性オレフィン樹脂をはじめとする樹脂表面の接触帯電や摩擦帯電による静電気障害を大幅に無くすことが出来るとともに、耐熱性にも優れ、複合させたプラスチック素材は射出成型物表面でのベト付きもフィルム成型物の口開き性劣悪化も生じさせないという、従来の練り込み型帯電防止剤にはない特長を有しており、製品としての新規性が認められる。

(3)「ビオミセルBNシリーズ」は、これまで帯電防止剤分子を安定存在させることが難しかった極性の低いオレフィン樹脂のPEやPP等に対しても、電気特性改質性能を十分に付与できるというプラスチック産業注目の特長を有しており、他の製品との差別化要因は明確になっている。

2 優秀性について

(1)「ビオミセルBNシリーズ」は、プラスチックマトリックス中では、ファンデルワールス力を有効に働かせて分散すると同時に成分同士が適切にクローン力を作用させてドナー・アクセプターハイブリッドであるB-・N+型の電荷移動型結合体を誘導し、全体としてプラスチックマトリックスの中に均一分散した不純物準位を形成させて、絶縁体材料を半導体の領域へ再現性よく近づけ、しかも、長時間安定してその状態を保ち得るという、新規メカニズムによる内部練り込み型帯電防止剤であり、創造性に優れた製品である。

(2)従来の内部練り込み型帯電防止方法は、界面活性剤の性質を応用したマトリックスへの相溶性と表面移行性との調和によって、表面に極性基を浮き立たせて帯電防止効果を得るタイプと、対象とするプラスチックと混ざり合う極性側鎖を持つ高分子化合物を導入して、ポリマーブレンド化により電気特性改質を図るタイプの2種類が一般的であるが、前者は少量添加処理が主ではあるが性能が安定せず、製品の表面状態を損なう場合が多々あり、後者は多量に添加しないと効果が発揮できないことが多いという欠点を有する。「ビオミセルBNシリーズ」は、新規メカニズムに基づき、少量添加で的確かつ安定的に性能を発現するドナー・アクセプターハイブリッド系内部練り込み型帯電防止剤であり、コストパフォーマンスが高いことから競争力は十分高いと考えられる。

(3)「ビオミセルBNシリーズ」は、融点57〜60℃、引火点230℃以上、完全分解温度400℃以上の熱安定性の高い淡黄褐色固体で、1%水溶液のPHは8.0〜9.5。静電気防止対策用の適切な複合割合は、PEフィルムで0.65%、PPフィルムで2.0%、ABS樹脂で4%程度であり、いずれも無添加時の表面抵抗が10の13乗Ωから添加時には10の10乗Ω程度に低下し、半年程度では経時変化は殆ど見られない。「ビオミセルBNシリーズ」には、その複合フィルムの表裏を無処理の樹脂フィルムで被覆した積層フィルム表面も非帯電性となる特性があり、静電気障害防止ラミネートフィルムを再現性よく製造できるので、新たな用途開発が可能である。

(4)「ビオミセルBNシリーズ」のドナー剤、アクセプター剤は安定性の高い化学物質であり、「ビオミセルBN-77」および「ビオミセルBNF」の化学物質等安全データシート(MSDS:Material Safety Data Sheet)が用意され、必要に応じて提供される。

3 市場性について

(1)「ビオミセルBNシリーズ」は、ドナー・アクセプターハイブリッドを形成してプラスチックマトリックスを半導体化するという新しい原理に基づき、少量添加で確実に長期間安定な帯電防止効果を発現し、従来安定な非帯電化が困難であったオレフィン樹脂に対しても極めて有効であることから、経済的効果が期待できる。

(2)「ビオミセルBNシリーズ」は、既に、PE、PP、塩ビ、ABS樹脂に対する練り込み型帯電防止剤として明確な有効性が確認されており、食品包装材料等を含めた幅広い用途のプラスチック材料製造への利用が期待される。

(3)「ビオミセルBNシリーズ」の価格は、税抜きで約5000円/kgで、通常の界面活性剤系の価格(約1000円/kg)に比べてやや高めであるが、少量添加で帯電防止効果の再現性・持続性・安定性が優れていることから、結果的には製品価格への負担は少ない。

(4)「ビオミセルBNシリーズ」は、従来の界面活性剤型やポリマーブレンド型とは全く異なるドナー・アクセプターハイブリッド系の練り込み型帯電防止剤であり、PEやPP等の従来効果的帯電防止が困難であった無極性オレフィン樹脂に対しても、少量で再現性よく長期間安定で強力な帯電防止効果を発現することから、認知度が高まれば販路拡大が期待できる。

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